所長のブログMPI日記

2019.03.29

ご挨拶

今日が平成30年度末最後の出勤日となりました。

明々後日の月曜日から平成31年度(5月1日からは新元号)が始まりますが、このタイミングで私(菊地)も日医工社員を卒業することになりました。日医工社員歴は40年と約11か月、紆余曲折はあったものの1つの会社でサラリーマン人生を全うできるのはちょっとした自慢です。


実際には非常勤としてもうしばらくは日医工に残り、後進のサポートを行うことになりますが、MPI業務の一線からは距離を置くことになります。日医工医業経営研究所(MPI)やStu-GEの運営も新たな体制に移っていきますが、さらなる発展に期待したいと思います。


来月には62歳になります。診療報酬などに関するコンサルタントとしてまだまだ多くの方が頑張っていらっしゃるなかで、『もったいない』とか『引退はまだ早い』とありがたいお言葉もいただきました。

50歳までは現役を続けると言っていたイチローも45歳にして引退を決めました。『悔いなし』の想いはイチローと同じです。

また森昌子さんも還暦での引退を公表。『人生の残された時間を具体的に考え始めた時に、芸能活動以外の事に時間を使って人生を充実させたいと思うようになりました』は、"芸能活動"を"仕事"に置き換えれば正に同感です。

これからはプライベートの時間を増やしつつ、新たなMPI体制を見守っていこうと思います。

長い間お付き合いいただきありがとうございました。


(追記)

MPI日記は、次期執筆者が決まるまでしばらくお休みになります。

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2019.03.15

「情報を公開する」というポリシー

行政情報の資料はいつから作成し始めたのか、ということでちょっと調べてみたら、「1992年度診療報酬改定」が最も古い資料のようです。

私が日医工(当時は日本医薬品工業株式会社)に入社したのが1978年、そして製造部門から営業部門に異動になったのが1989年、なかなか営業になじめず悶々としていた1990年頃に社外講師から医療行政情報の研修を受けたと記憶しているので、意外と早い段階から診療報酬情報に気持ちが向いていたようです。当初はワープロで資料を作成し伝達はFAX、プレゼンはOHPで行っていました。

1997年の健康保険法改正による「薬剤一部負担制度」(本日記2018年8月24日参照)で、行政情報の重要性・戦略性を認識してMPSチーム(日医工社内組織)を企画することになります。


作成資料がPPT(パワーポイント)になったのが2002年からで、この時期から社内公開(イントラネット)を始めます。日医工のホームページに掲載を始めたのが2006年頃からで、2008年に単独サイト「Stu-GE」が始まります。

この所長日記は、2011年の株式会社日医工医業経営研究所(MPI)の設立に合わせて始めました。本号でいつのまにか447号、"塵も積もれば・・"の心境です。


私が作成した資料(行政関連)は、原則無料公開としてきました。1990年頃に受けた研修講師の言葉『情報は出した分だけ入ってくる』が強く印象に残り、私のポリシーとなりました。

作成資料の評判が上がってくると、社内外から「公開に制限をかければ」とか「有料にすれば」などのアドバイスもいただくようになりましたが原則無料公開を続けることができました。

そのおかげもあってか、多くの方からも情報をいただけるようになり、情報の質も高まったと考えています。また私のポリシーを認め、任せていただいた日医工の経営陣にも感謝しています。(他の会社であったら多くの制限を受けていたかもしれません)


以前の行政発出資料は相当に難しいものでした。その意味不明な情報を読み解いて『なるほど!こういうことか』と理解した時点で、MPI資料に翻訳。社内では研修などで資料解説し営業戦略の付加価値として利用してもらい、社外の皆さんにも周知することで日医工のプレゼンスを上げることにもつながったのではないかと考えています。


今までは菊地の枠組みでMPI事業を進めてきました。さらに進化した新たな枠組みが求められています。果たしてどのようなポリシーで、どのような形で受け継がれていくのか・・楽しみです。

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2019.02.15

消費税改定の答申

今年10月に実施される消費税引き上げに伴う診療報酬改定が2月13日に答申されました(1枚目)。告示は3月に行われるとの憶測も流れましたが、現時点では未定です。

新たな診療報酬はこれで内定となりますが、新薬価については従来通り改定1か月前ぐらいの告示の方が新たなトラブルは発生しないと考えます。

新点数は2月6日の中医協資料で初めて公表されました(2枚目)。

新しい点数の案と、消費税率5%から10%への引き上げに対応する点数(消費税対応分)が記載されています。この「うち消費税対応分」は2014年4月に5%から8%になった時(2012年度改定の点数)からの通算の引き上げ分を示されたものですが、この時には存在していない点数項目についても「うち消費税対応分」が記載されていました。


例えば「オンライン診療料」は2018年度改定で新設され、現行の70点を消費税改定で71点にする案と、「うち消費税対応分」は4点となっています。

消費税率が5%から8%になった時には存在していなかった点数なので違和感を感じましたが、オンライン診療料は再診料や外来診療料から派生した点数であり、今回はそれらと同様に『+4点』を記載したのではと考えました。


要は、2014年度以降に新設された点数であっても、5%から8%になった時に存在していたと仮定すれば、『通算でこれくらいは上げています』ということでしょうか。

いろいろ勘ぐってしまいます。

また「調剤報酬」では、調剤基本料1~3と特別調剤基本料の全てが「+1点」となりました。

結果として現行点数が低い調剤基本料の方が引き上げ率で比較すると高くなります。

さらに「介護報酬」は、「居宅療養管理指導費」が引き上げられていますが(3枚目)、医科などでは薬剤師の在宅点数は引き上げられていません(医師の在宅訪問診療料は引き上げられる)。

介護報酬には再診料的な評価はないため、これも苦肉の策でしょうか。


いずれにしても、消費税改定の苦労がしのばれます。

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2019.01.07

自動化とAI

今朝(1月7日)のNHKニュース「おはよう日本」で『JRの自動運転走行試験』が報じられていました。自動車の自動運転は多くの実験が世界で進められていますが、鉄道の自動運転は積極的ではないように思っていました。線路上しか走らない鉄道の方が自動運転に向いている気がしていましたが、ホーム上の対応や(全駅でホームドア設置)、踏切の安全確保(全線で高架化)などの問題があり、私が考えていたほど簡単ではないようです。


以前あるTV番組で、地下鉄トンネル内の照明の流れ具合だけで走行速度を言い当てたり、ダイヤを守るために駅間の走行時間を秒単位でコントロールするなど、運転士の"技" について紹介していました。

これが自動化してしまうと、この"人の技"はいずれ廃れていくことになります。また人が感じる異音、振動、異臭などもなかなか機械に置き換えにくいようです。

それでも今後さらに予想される人手不足のなか、自動化、ICT化、AIの導入などはさらに進むことになるのでしょうか。


また今朝の業界誌(PHARMACY NEWSBREAK)に「IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業」(国立研究開発法人、新エネルギー・産業技術総合開発機構[NEDO 経済産業省])に関する記事が掲載されていました。

高齢者住宅の一室に多くのセンサーを取り付け、バイタルデータ、睡眠時間、トイレの回数、服薬状況、外出状況など人の動きを感知し、そこで暮らす人の日々の体調や生活パターンの変化などが把握できるシステムの開発に関するものです。


プライバシーの問題や人と機械の温かみの差など問題もあると思いますが、人手不足が進む中での高齢者人口の増加に対しては、必要な技術です。

健康寿命が延びて元気な高齢者が増えても、一人一部屋の暮らしは不安なものです。(サ高住や老人ホームでも)

『麻痺のある患者さんが転倒したのに誰も気付かなかった』などを防ぐには、この「見守りシステム」が有効になりそうです。


これからAI(人工知能)の医療への導入も進みそうです。

画像診断などでも精度が上がるようですが、どんどん人の関与が少なくなる状況は、"人の技の廃れ"が心配になりますが・・。


上記の問題より安心感が上回っても、まだコスト問題があります。

センサー等の機器の設置には各部屋で数十万円が必要になるとのこと。この費用を誰が負担するか? このシステムは誰が管理するか? 民間が請け負った場合事業として成立するか? 行政が請け負った場合はどこまで税金を投入できるか? 等々・・。


今年の10月には消費税が引き上げられます。

消費税引き上げを喜ぶ人はいないと思いますが、使い道が真っ当であれば容認する国民は多いと思います。増収となる消費税分は社会保障費に充てられることになっていますが、この使い方が問われます。


そういえば、先日のNHK土曜ドラマ「母、帰る~AIの遺言~」は秀逸でした。近未来の設定なのか??はありましたが、AIの可能性の一つの提起でしょうか。予告で見た富山弁(舞台は富山県高岡市)が気になってチャンネルを合わせましたが、地元民の耳で聞いてもこのドラマの富山弁はネイティブでした。

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2018.12.21

プレアボイド事例の疑義解釈を考察

2018年度の調剤報酬改定で基準調剤加算がリニューアルされて「地域支援体制加算」が新設されました。この点数の施設基準のひとつに"プレアボイド事例に関する取組"が「あり」であることが求められています。

この要件を「あり」とするためには、前年の一年間(1月~12月)に日本医療機能評価機構の「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」への事例報告が必要になります。[MPI注:報告期限は事例を認識した日から原則1か月以内](http://www.yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/pdf/project_guidance.pdf


また報告するためには事前に日本医療機能評価機構に参加登録をしなければならないのですが、調剤報酬の要件となったことなどから申請が殺到しており、登録が完了するまで約4か月待ちになっているようです。


地域支援体制加算の算定要件が整っていても、行政(機構)上の対応により調剤報酬の算定に影響を生ずることには問題があります。そこで12月18日付けで疑義解釈(事務連絡)が発出され、『2018年内に登録されなくても算定することが可能』とする見解を示しました。(図:MPI資料「2018年度診療報酬改定 疑義解釈(調剤)」p11)


(疑義解釈の概要)

「参加登録まで時間を要するため、以下の4点の資料を厚生局に提出すれば、「プレアボイド事例の把握・収集に関する取り組みの有無」を「あり」として、地域支援体制加算(35点)の施設基準をクリアしたとみなす」

(4点の資料)

①2018年12月末までに機構に登録申請したことを証明する「仮登録完了」メールの写しなど

②来年3月末までに今年分のプレアボイド事例を機構に報告したことが分かる「検索結果」の写しなどの資料

③来年3月末までに機構へ報告した今年分のプレアボイド事例の内容の写しなど、取り組み実績を確認できる資料

④都道府県の薬局機能情報提供制度で「プレアボイド事例の報告・収集に関する取り組みの有無」が公表されている場合、その掲載内容の写し


つまり、今月中に登録・報告できなくても来年3月までに登録・報告でOKとなりました。

これはこれで一つの解決策ではあるのですが、MPIとしてはいくつかの疑問が残ります。

前述しましたが、薬局ヒヤリ・ハットの報告期限は「事例を認識した日から原則として1か月以内」と記載されています。

となると、

1)2018年12月末までに登録が間に合った薬局も2018年1月1日~12月31日の事例報告が報告期限が過ぎていても認められるのか?

2)2018年12月末までに参加登録の申請を行って、万が一2018年3月末までに登録が間に合わなかった場合は2019年度の加算算定は不可ということか?


何か一つ解決すると、次の疑問が湧く・・・。

ルールを作る方のご苦労もしのばれますが、点数を算定する側も困ります。

疑義解釈の内容が「とにかく全薬局が4点の資料を提出すればOK」という事だと思いたいところです。(そうでなきゃ不公平だ!)

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