エタネルセプト

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開発の経緯開発の経緯

開発の経緯

エタネルセプトは,ヒト免疫グロブリンG1のFc領域にヒト腫瘍壊死因子Ⅱ型受容体(TNFRⅡ)の細胞外ドメインのサブユニット2個を遺伝子組換え技術で結合させた融合タンパク質であり,完全ヒト型可溶性TNFα/リンフォトキシンα(LTα,TNFβともいわれる)レセプター製剤です。

エタネルセプトのTNFRⅡ部分が,TNFα及びLTαに結合することで,細胞表面のTNFRとの結合を阻害して,抗リウマチ作用,抗炎症作用を発揮すると考えられています。

エタネルセプトは米国で初めて開発され,日本におけるエタネルセプト(遺伝子組換え)製剤としては,既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)及び多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎の治療薬として発売されています。

エタネルセプトBS皮下注10mgシリンジ1.0mL「日医工」他3品目(以下,本剤)は,エタネルセプト(遺伝子組換え)製剤のバイオ後続品として,YLバイオロジクス株式会社及び共和薬品工業株式会社が共同で開発を行いました。

本剤は,先行バイオ医薬品注)と比較し,品質試験及び非臨床試験において同等/同質であること,日本人の健康成人男性を対象とした国内第Ⅰ相試験において薬物動態の同等性が確認されたこと,関節リウマチ(RA)患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験において,同等の有効性と同様な安全性プロファイルを有していることが示されたことから,2018年3月に共和薬品工業株式会社が製造販売承認申請を行いました。その後,2018年6月に,日医工株式会社は本剤の販売権を取得しました。

エタネルセプトBS皮下注10mgシリンジ1.0mL「日医工」・25mgシリンジ0.5mL「日医工」においては「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)及び多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎」を,エタネルセプトBS皮下注50mgシリンジ1.0mL「日医工」・50mgペン1.0mL「日医工」においては「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」を効能・効果とするバイオ後続品として,2019年3月に承認を取得し,2019年11月に販売を開始しました。

エタネルセプトBS皮下注10mgシリンジ1.0mL「日医工」,エタネルセプトBS皮下注25mgシリンジ0.5mL「日医工」,エタネルセプトBS皮下注50mgシリンジ1.0mL「日医工」及びエタネルセプトBS皮下注50mLペン1.0mL「日医工」は共和薬品工業によって製造販売されていましたが,2020年2月に日医工株式会社に製造販売承認が承継されました。

  • 注) 「先行バイオ医薬品」はエタネルセプト(遺伝子組換え)製剤を指す。