ベバシズマブ

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開発の経緯開発の経緯

開発の経緯

ベバシズマブは,ヒト血管内皮増殖因子(VEGF)に対する遺伝子組換え型ヒト化モノクローナル抗体です。VEGFは,血管内皮細胞の細胞分裂促進・生存を制御するとともに血管透過性の亢進に関与するサイトカインであり,種々の癌細胞において発現が亢進しています1,2)。ベバシズマブは,ヒトVEGFと特異的に結合することにより,VEGFと血管内皮細胞上に発現しているVEGF受容体との結合を阻害すると考えられています3)。ベバシズマブはVEGFの生物活性を阻止することにより,腫瘍組織での血管新生を抑制し,腫瘍の増殖を阻害し3,4),またVEGFにより亢進した血管透過性を低下させ,腫瘍組織で亢進した間質圧を低減すると考えられています4)
ベバシズマブは,米国では転移性結腸・直腸癌患者の治療薬として2004年2月に承認され,日本においては2007年4月に「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の治療薬として製造販売を承認されています。
ベバシズマブBS点滴静注100mg/400mg「日医工」は,mAbxience.Research,.S.L. (本社:スペイン)によりベバシズマブ製剤のバイオ後続品として創製され,日本において日医工株式会社が開発を行いました。本剤は,アバスチン点滴静注用と比較し,品質試験及び非臨床試験において類似性が認められたこと,国内の健康成人を対象とした単回投与試験において,薬物動態の同等性が確認されたこと5),海外の非扁平上皮非小細胞肺癌患者を対象とした第Ⅲ相試験において,同等の有効性と同様な安全性プロファイルを有していることが示されたことから6),アバスチン点滴静注用が有する効能又は効果のうち,再審査期間が満了しているものを効能又は効果として製造販売承認申請を行いました。
2022年1月にベバシズマブ(遺伝子組換え)[ベバシズマブ後続3]注として承認を取得しました。

取得した効能又は効果,用法及び用量は下記の通りです。

効能又は効果、用法及び用量

なお,先行バイオ医薬品が有する「悪性神経膠腫」,「卵巣癌」,「進行又は再発の子宮頸癌」及び「切除不能な肝細胞癌」に対する効能又は効果は承認を取得しておりません。

効能又は効果、用法及び用量、警告・禁忌等を含む注意事項等情報の詳細は 電子添文をご参照ください。

  • 1) Ferrara N, et al.:Nat Med. 2003;9: 669-676.
  • 2) Ferrara N, et al.: Endocr Rev. 1997; 18: 4-25.
  • 3) Presta LG, et al.: Cancer Res. 1997; 57: 4593-4599.
  • 4) Willett CG, et al.: Nat Med. 2004; 10: 145-147.
  • 5) 日医工株式会社 社内資料:国内第Ⅰ相臨床試験(承認時評価資料)
  • 6) 日医工株式会社 社内資料:海外第Ⅲ相比較試験(承認時評価資料)