インフリキシマブ

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開発の経緯開発の経緯

開発の経緯

インフリキシマブは,関節リウマチ(RA)やクローン病等の病態形成に密接に関与している腫瘍壊死因子α(TNFα)の作用を阻害するヒト/マウスキメラ型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体です。

インフリキシマブは,可溶性TNFαへの結合によりTNFαの生物活性を中和し,またTNFα受容体に結合したTNFαの解離,TNFα産生細胞に対するアポトーシスの誘導,抗体依存性細胞傷害(ADCC),補体依存性細胞傷害(CDC)を引き起こすと考えられています。

インフリキシマブは,米国で開発され,日本においては,2002年5月にクローン病治療薬として先行バイオ医薬品が発売されました。その後,RA,乾癬,潰瘍性大腸炎などの効能・効果を取得しています。インフリキシマブBS点滴静注用100mg「日医工」はAprogen Inc.(本社:韓国デジョン)によりインフリキシマブ製剤のバイオ後続品として創製され,日本において日医工株式会社及びヤクハン製薬株式会社が共同で開発を行いました。

本剤は,先行バイオ医薬品と比較し,品質試験及び非臨床試験において高い類似性が認められたこと,国内の健康成人を対象とした単回投与試験において,薬物動態の同等性が確認されたこと,国内のRA患者を対象とした第Ⅲ相試験において, 同等の有効性と同様な安全性プロファイルを有していることが示されたことから,2015年9月,先行バイオ医薬品の効能・効果のうち,再審査期間が満了しているものを効能・効果として製造販売承認申請を行いました。
2017年9月にインフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続2]として承認を取得し、2017年11月に販売を開始しました。

取得した効能又は効果、用法及び用量は下記の通りです。

index

なお,先行バイオ医薬品が有する「強直性脊椎炎」,「腸管型ベーチェット病,神経型ベーチェット病,血管型ベーチェット病」及び「川崎病の急性期」に対する効能・効果は取得しておりません。

  • RA:rheumatoid arthritis
  • TNFα:tumor necrosis factor alpha
  • ADCC:antibody-dependent cellular cytotoxicity
  • CDC:complement-dependent cytotoxicity
  • 先行バイオ医薬品:国内で既に新有効成分含有医薬品として承認されたバイオテクノロジー応用医薬品