インフリキシマブ

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品質特性製造法

製造法

1. インフリキシマブ産生細胞株の樹立

インフリキシマブBS点滴静注用100mg「日医工」の製造のために,まずはインフリキシマブを産生する細胞を樹立することが必要です。
そこで,はじめにインフリキシマブを産生する遺伝子を作製し,プラスミドベクター(細胞内に遺伝子を運ぶためのDNA)に組み込み,インフリキシマブ発現ベクターを構築します。このインフリキシマブ発現ベクターを細胞基材であるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に導入します。ここでインフリキシマブ産生遺伝子が導入された組換えCHO細胞においては,細胞ごとに増殖性やインフリキシマブの生産性に差があります。そのため,製造に最も適した細胞を選択・単離し,培養して増殖させ,複数バイアルに分注してリサーチセルバンクを作製します。

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2. ワーキングセルバンクの構築

リサーチセルバンクからマスターセルバンク,次いで実際に製造に用いられるワーキングセルバンクを作製し,それぞれ十分な本数を保管します。
マスターセルバンクは,リサーチセルバンクからバイアルを1本取り出して培養・増殖させ,複数のバイアルに分注したものとなります。このマスターセルバンクからバイアルを1本取り出して培養・増殖させ,複数のバイアルに分注してワーキングセルバンクとします。ワーキングセルバンクのバイアルが少なくなると,マスターセルバンクからバイアルを1本取り出し,同様の手順でワーキングセルバンクを再作製します。

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3. 製造方法

本剤の製造は,ワーキングセルバンクから取り出した1本のバイアルから開始されます。段階的にスケールを拡大しながら培養を行い,回収した培養液からいくつもの精製工程を完了したものが原薬となります。この原薬にpH調整剤等の添加物を加え,凍結乾燥工程を経て製剤化されます。
製剤化の後,品質試験を行い,合格したもののみが流通されます。

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