インフリキシマブ

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薬効薬理非臨床試験

非臨床試験

1. 作用機序

インフリキシマブは,クローン病や関節リウマチの病態形成に密接に関与しているTNFαの作用を阻害するヒト/マウスキメラ型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体である。
その作用機序は,可溶性TNFαへの結合により,TNFαの生物活性を中和し,また膜結合型TNFαへの結合により,TNFα産生細胞に対し,アポトーシスの誘導,抗体依存性細胞傷害(ADCC)及び補体依存性細胞傷害(CDC)を引き起こすと考えられている。

作用機序

2. 可溶性TNFαに対する結合活性(in vitro

本剤及び先行バイオ医薬品の可溶性TNFαに対する相対結合活性の平均値は、それぞれ98%及び104%であった。

可溶性TNFαに対する結合活性(in vitro)

3. 膜結合型TNFαに対する結合活性(in vitro

本剤の膜結合型TNFαに対する結合活性は,先行バイオ医薬品の99%であった。

膜結合型TNFαに対する結合活性(in vitro)

4. TNFαの生物活性に対する中和活性(in vitro

本剤及び先行バイオ医薬品は,TNFαによって誘発される細胞傷害に対して濃度依存的な阻害作用を示し,その相対中和活性の平均は,それぞれ94%及び96%であった。

TNFαの生物活性に対する中和活性(in vitro)

5. 補体依存性細胞傷害(CDC)活性(in vitro

本剤は,膜結合型TNFα発現細胞に対する補体依存性細胞傷害(CDC)活性を示し,そのCDC活性は先行バイオ医薬品の109%であった。

補体依存性細胞傷害(CDC)活性(in vitro)

6. 抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性(in vitro

本剤及び先行バイオ医薬品は,膜結合型TNFα発現細胞に対する抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を示し,その相対ADCC活性※の平均は,それぞれ100%及び104%であった。

抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性(in vitro)

7. 補体C1qに対する結合活性(in vitro

本剤及び先行バイオ医薬品は,補体C1qに対し濃度依存的な結合活性を示し,その相対結合活性の平均は,それぞれ92%及び81%であった。

補体C1qに対する結合活性(in vitro)

8. FcγRに対する結合活性(in vitro

本剤のFcγRⅠに対する結合活性は,先行バイオ医薬品の114%であった。また,FcγRⅡaに対する本剤及び先行バイオ医薬品の相対結合活性※1の平均は,それぞれ98%及び97%であった。一方,FcγRⅢaに対する本剤及び先行バイオ医薬品の相対結合活性※1の平均は,それぞれ106%及び130%であった。

FcγRに対する結合活性(in vitro)

9. FcRnに対する結合活性(in vitro

本剤は,FcRnに対する濃度依存的な結合活性を示し,そのEC50は先行バイオ医薬品の104%であった。

FcRnに対する結合活性(in vitro)

10. 膜結合型TNFα発現細胞に対するアポトーシス誘導活性(in vitro

本剤は,膜結合型TNFα発現細胞に対してアポトーシスを誘導し,そのアポトーシス誘導活性は先行バイオ医薬品の92%であった。

膜結合型TNFα発現細胞に対するアポトーシス誘導活性(in vitro)

11. TNFα中和作用(トランスジェニックマウスでの作用)

本剤は,先行バイオ医薬品と同程度のヒトTNFαトランスジェニックマウス(Tg197)に対する疾患進行抑制効果が認められた。

TNFα中和作用(トランスジェニックマウスでの作用)

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