製品検索

DISINTEGRATIVE湿製錠剤

ラムネ菓子をヒントに
服用のしやすさを追求した製剤

湿製錠剤の特徴

湿製錠剤とは

第18改正 日本薬局方解説書より

「湿製錠剤 molded tabletsは、薬品を含む湿潤した練合物を一定の型にはめ込んで成形した後、乾燥して製するもので、口腔内で速やかに崩壊する錠剤などの限られた用途に利用されている」

湿製錠剤は、湿った粉体を低圧で打錠し、乾燥させて製造した(湿式打錠法)錠剤です。その製法から錠剤内部にたくさんの空隙があり、水分が速やかに浸透し崩壊します。また、結合剤が湿った粉体の中で架橋することにより、通常の錠剤と同程度の硬度を持つ錠剤ができます。

湿製錠剤 崩壊挙動動画

湿製錠剤の構造

湿製錠剤は、薬物を含む湿った粉体(図1)を、直接打錠し乾燥させるため、内部に多くの細孔を有する多孔構造の錠剤(図2)となっています。低圧で緩やかに打錠することで、適度な硬度を有する湿製錠剤が製造可能になり、通常の錠剤と同様の取扱いができる錠剤になっています。

湿式打錠法と乾式打錠法

湿製錠剤は、湿った粉体を低圧(約10~30kgf)で打錠し、乾燥させる湿式打錠法という製法で製造されます。
一般的な錠剤は乾燥した粉体・顆粒等を高圧(約500~1500kgf)で打錠する乾式打錠法で製造されています。

湿式打錠法

粉体

粉体処方: D-マンニトール169.15g / ポリビニルアルコール0.85g

湿った粉体を低圧で打錠(約15kgf)乾燥(85°C)

湿製錠剤

低い圧力で打錠するため空隙が残った状態

湿製錠剤

乾式打錠法

粉体

粉体処方: D-マンニトール169.15g / ポリビニルアルコール0.85g

乾燥した粉体を高圧で打錠(約800kgf)

一般的な錠剤・OD錠

高い圧力で打錠するため、
空隙のない圧縮された状態

一般的な錠剤・OD錠

湿製錠剤の基本処方

D-マンニトール、乳糖などの水溶性の賦形剤を使用し、セルロース系やデンプン系など不溶性の添加物(崩壊剤)を使用していません。

成分 配合量(%)
有効成分 X
結合剤
(ポリビニルピロリドンまたは
ポリビニルアルコール)
Y(約0.3~1.0%)
賦形剤
(D-マンニトールまたは乳糖)
100 ー(X+Y)
合計 100

湿製錠剤の製法における特徴

1湿った粉体を打錠

湿潤した状態で圧縮することで、粒子間の架橋構造ができやすくなり、硬度の確保につながる。

2崩壊剤を含まない

使用する添加物が少なく、有効成分との 接触安定性の影響を受けにくい。不溶性の崩壊剤を含まない。

3打錠圧が低圧(約10~30kgf)

乾式打錠法の約25~50分の1の圧力にて打錠し乾燥することで、錠剤内部に空隙ができる。

参考資料: Tsushima Y., J.Jpn.Soc.Pharm.Mach.& Eng.10(4) 5-17 (2001)

崩壊挙動動画

湿製錠剤と乾式打錠法で製したOD錠の崩壊挙動動画(当社同成分製品)

方法約37℃の精製水30mLが入った30mLビーカーに試験製剤を入れ、崩壊の様子を横から確認した。

湿製錠剤の水分量別崩壊挙動動画

方法口腔内崩壊試験機(岡田製鋼株式会社製:トリコープテスタ)を用いて試験製剤の崩壊状況の観察を行った。
メッシュ上に錠剤(1錠)をセットし、錠剤上部から37℃の人口唾液を液速3通り(5mL/min、2.5mL/min、 1.25mL/min)にて滴下した。OD錠の崩壊する様子を視覚的に捉えるため、上部のメッシュを用いずに実施した。