ABOUT DYSPHAGIAなるほど摂食嚥下障害

監修:浜松市リハビリテーション病院 
病院長 藤島一郎 先生

ケア・対処

歯科治療について

歯科治療

健常歯列の方に対し、ブリッジの方の咀嚼(そしゃく)効率は平均66.5%、総義歯の方では約20% と言われています。

喪失歯がある、または義歯に痛みや不具合があるなどの場合は、咀嚼率はさらに低下し、ほとんど咀嚼できていないと考えます。嚥下(えんげ)を促す義歯や安定した咬合が摂食嚥下(えんげ)の動きをスムーズにするという報告があり、歯科治療は摂食嚥下(えんげ)機能を促す役目を担っていると考えられます。

〈出典〉
Tamura F,Mizukami M, et al. Analysis of feeding function and
jaw stability in bedridden elderly. Dysphagia 2002 ;17: 235- 41.

現在では脳血管疾患でも早期の歯科治療や口腔ケアの必要性があると言われています。細菌の巣である歯垢や歯石の除去は口腔内衛生管理には大変効果的で、肺炎防止にもつながります。

介護者が日頃から口腔ケアに注意を払い、歯科治療が必要な場合は、すぐに歯科医に相談しましょう。半年に1回の専門科によるチェックが必要といわれています。