ABOUT DYSPHAGIAなるほど摂食嚥下障害

監修:浜松市リハビリテーション病院 
病院長 藤島一郎 先生

嚥下体操・訓練

咳と呼吸の訓練

咳・呼吸の代表的な訓練方法には、咳嗽(がいそう)訓練、口すぼめ呼吸とペットボトルブローイングなどがあります。

咳嗽(がいそう)訓練

咳嗽訓練はむせに対処する防御機構を強化する訓練です。嚥下(えんげ)障害を持つ人に、まず自発的な咳を行うことを習慣化させます。その人の腹部に手を置いて息を吸ってもらいます。腹部がへこむのを確認してから「えへん」としっかり咳をしてもらうように指示します。その呼気に合わせて腹部を押し、咳の誘導をはかります

口すぼめ呼吸と
ペットボトルブローイング
(呼吸訓練)

口すぼめ呼吸(鼻から吸って口から吐く)を行い、呼吸のコントロールを改善させ、痰や誤嚥物の喀出を促すことが目的です。ロウソクの炎を消すような気持ちで口をすぼめてゆっくり息を吐き出させます。肺機能、鼻咽腔の閉鎖機能の強化に役立つとともに口唇の訓練にもなります。

また、ペットボトルブローイングも効果があります。図のようにペットボトルにストローをさし水を入れてぶくぶくと息を吐きます。この時ペットボトルのふたの閉め方を調節することでブクブク泡を出す呼気の力を調整できます。誤って水を吸い込まないように注意してください。