ABOUT DYSPHAGIAなるほど摂食嚥下障害

監修:浜松市リハビリテーション病院 
病院長 藤島一郎 先生

くすりの工夫

上手な薬の飲み方・飲ませ方

経口投与の場合

錠剤の場合は、ゼリーの中に埋めて飲んでいただくと良いでしょう。食後よりも食事中の方が、咽頭や食道で止まってしまっても、続いて入ってくる食物におされながら胃まで運ばれるので安心です。

粉薬を直接口に入れると、口の中に広がり、むせることがあります。服薬ゼリーなどに混ぜて内服する方法があります。

また、薬を取り出すとき、片麻痺などの運動機能障害があって不自由なときはあらかじめ袋に少し切り込みを入れるだけでも、服薬しやすくなります。患者さんにあった方法を工夫しましょう。

適切な服薬方法

嚥下(えんげ)障害のない普通の方でも、薬の剤形によっては飲みづらい場合もあります。どんな方でも、薬の服薬には注意が必要です。

薬を飲ませた後に口腔内を確認すると、喉頭蓋谷(舌根部(ぜっこんぶ)と喉頭蓋(こうとうがい)の間にある窪み)や声帯の近くに薬が引っかかっていることがあります。嚥下(えんげ)障害の程度を考慮した剤形や適切な服薬方法が求められています。