ABOUT DYSPHAGIAなるほど摂食嚥下障害

監修:浜松市リハビリテーション病院 
病院長 藤島一郎 先生

知識

誤嚥性肺炎の予防

どういうことを、どのようにすれば、どこまで誤嚥性肺炎を予防できるかというデータはまだ集積されていませんが、口腔ケアが肺炎を予防するという報告は多くなっています。

有用と思われる対策

  • 食前食後の口腔・咽頭ケア
  • 食事の環境を整え、嚥下(えんげ)に意識を集中する
  • 食後の体位:腹部を圧迫しないように2時間以上上体をおこしている

むせたり肺炎の既往歴のある方は軽症の嚥下(えんげ)障害があると考えて、さらに次の2つを行うとよいでしょう。

不顕性誤嚥と口腔ケア

嚥下(えんげ)反射・咳反射の低下した老人の場合、睡眠中には約70%の方に「不顕性の誤嚥」がみられ、この不顕性誤嚥を繰り返すうちに肺炎を起こしてしまうという誤嚥性肺炎が多いため、老人性肺炎予防の日常的なケアとして「十分な口腔ケア」が大切です。

〈参考〉
佐々木英忠, ほか. 口腔・咽頭の機能低下と誤嚥性肺炎. 厚生省厚生
科学研究費補助金 長寿科学総合研究 平成6年報告書; 4 :140 - 6.