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DYSPHAGIA Q&A摂食嚥下障害Q&A

監修:浜松市リハビリテーション病院 
病院長 藤島一郎

ご活用事例紹介 
ファーマシィ薬局上本町駅前さま

04地域のみなさんの健康増進を目指した健康フェア開催など、
真のかかりつけ薬局を目指した活動

大阪府大阪市 株式会社ファーマシィ ファーマシィ薬局上本町駅前さま取材日:2018年12月8日

ファーマシィ薬局上本町駅前
の特徴について
お聞かせください。

地域のみなさまが入りやすい薬局作りを心掛けています。
株式会社ファーマシィは、中国地方を中心に、大阪、東京も含め現在89薬局を展開しています。ここファーマシィ薬局上本町駅前は2018年10月1日に開局したばかりの新しい薬局です。メンバーは薬剤師3名、登録販売者1名、管理栄養士1名、事務職員1名の計6名です。店内が広く、OTC医薬品を多数取り揃えていること、体組成計や肌年齢測定器などを常備していることは特徴と言えると思います。キッズスペースも設けており、幅広い年齢層に対応できるよう配慮しました。また、4つの投薬カウンターのうちの3つは座ってゆっくりとお話しができるようにしたことは私がこだわった部分の一つです。

  • 広い店内には豊富な種類のOTC医薬品が並ぶ。

  • キッズスペース

  • 投薬カウンター

開局時のエピソードなどを
教えてください。

スタッフ全員で新しい薬局作りに取り組みました。2018年4月に上本町駅前に管理薬剤師として異動する辞令があり、薬局のレイアウト作成など開局準備から関わっています。
スタッフは各薬局から若手が集められ、スタッフ全員でOTC医薬品の選定や店内の装飾などについて話し合いながら開局準備を進めました。私自身は、薬局のリーダーとしてここ上六地区の真のかかりつけ薬局になるという目標を設定し、メンバーにもアイデアを出してもらいながら、今までになかった新しい薬局作りに取り組んでいます。

開局前の1週間に健康フェアを実施して地域のみなさまに薬局のお披露目をしました。健康フェアに来てくださった方々が開局後に来てくださったり、スタッフが外に出て積極的に宣伝してくれたりして、少しずつ来局者が増えてきています。

今回、開局して
最初の健康フェアは
いかがでしたか?

処方箋を持っていない方が半数以上で、初めての方も見受けられました。
案内チラシの事前配布、当日の店頭での呼び込みに加えて、今回は新聞の折り込み広告も活用しました。おかげさまで開催時間中に途切れることなく来局いただきました。また処方箋を持っていない方が半数以上で、普段から来局してくださっている方に加えて初めての方の顔も見受けられました。

また、開局前の健康フェアでは予想より若い30〜50代の方が来て下さっていたので、今回は若い方向けにハンドケア講習会を取り入れるなど開局前の健康フェアの内容と違ったものを取り入れるなどの工夫をしました。

  • 肌年齢測定器(奥)、体組成計(手前)で測定中の患者様

  • ハンドケア講習

健康フェアで
「摂食嚥下障害 質問シート」
を活用されましたが
いかがでしたか。

患者さん自身も摂食嚥下障害について気付いておられない可能性に思い当たりました。
京都で在宅サービスに関わっていた時に、高齢者のご家族から「最近、薬が飲めていない」という声を聞いており、考えられる原因のひとつとして摂食嚥下障害は気になっていました。

今回、来局いただいた5名の高齢者の方に「摂食嚥下障害 質問シート」に答えていただきました。
一つひとつの質問が具体的で簡単であり、みなさん思い出しながら回答してくださいました。薬剤師から摂食嚥下障害について患者さんに問いかけることはあまりなく、また、患者さんから摂食嚥下障害を訴えられることもほとんどありませんが、今回の結果として5名中3名の方に摂食嚥下障害が疑われたことから、摂食嚥下障害についてはこのように聞かれてみて初めて症状を自覚される方も少なくないのではないかと思います。

「摂食嚥下障害 質問シート」については、健康フェアに限らず、来局された高齢者の方に活用していきたいと思っています。

  • 質問シートを活用して、患者様の摂食嚥下機能をチェック

摂食嚥下障害が
疑われた方に対しては
今後どのようなサポートが
可能でしょうか?

服薬支援にとどまらず、日常生活上の対策についても一緒に考えていきたいです。
摂食嚥下障害は服薬障害へとダイレクトにつながります。摂食嚥下障害のある方には、剤形の変更やサイズの変更など、より飲みやすいものへと変更が可能です。食事の仕方や口腔ケア、嚥下体操など薬に直接関係のない対処方法についてもお伝えしていければと思います。食事方法や嚥下体操の指導についてはエルメッドさんが提供されている資材が活用できると思います。

また、「摂食嚥下障害 質問シート」にチェックしてもらったものをそのままかかりつけ医に持って行ってもらうのもよいのではないでしょうか。

安福先生が考えられる
「真のかかりつけ薬局」とは
どのようなものですか?

何か健康のことで悩んだら気軽に相談に行ける場でありたいと思っています。
薬剤師の業務は、対物業務から対人業務へと変わっていくと言われています。
一方で、一般の方にとって薬局はまだ馴染みが薄く、ハードルが高い存在なのではないかと思っています。
まずはそのハードルを低くするために、薬局は全面ガラス張りで外から中がよく見えるようにしました。そして来局された患者さんの処方箋をカウンターの中で待っているのではなく、スタッフが患者さんに歩み寄ってお声がけをするようにしています。

服薬支援については、「高血圧の薬が出ている」だけで済ませるのではなく、その背景までをしっかり考えて患者さんとお話しすることを心掛けています。

理想とするかかりつけ薬局像について語ってくださる
管理薬剤師の安福先生

座っての服薬指導にこだわったのもそのためであり、患者さんには座っていただいて、ゆっくりとお話を聞き、納得いただけるまでご説明すべきだろうと思っています。一方で、特に若い方にはOTC医薬品で対処したいという方も少なくありません。実際、多くの方々が処方箋を持たずに相談に来てくださっています。

日々の業務の中だけでなく、地域のみなさんの健康増進を目指した健康フェアにできるだけ多くの地域の方たちに来ていただき、顔見知りになって、何か健康のことで悩んだら、あるいは健康であることの確認のために、気軽に立ち寄っていただける場でありたいと思っています。

今後の展望については
どのようにお考えですか?

町の薬局でも薬剤師外来のようなことができないかと考えています。
この地域で一番のかかりつけ薬局を目指すためにも、在宅サービスを始めたいと思っています。もうひとつ他の薬局にない取り組みとして、この薬局で病院の薬剤師外来のようなことができないかと考えています。患者さんがクリニックに行く前にこの薬局に寄っていただき、薬剤師が服薬状況(残薬)や副作用などを確認した上で、その情報を持ってクリニックに行っていただくのです。

それによって診断する医師の負担が減らせますし、私たち薬剤師にとってもより深く患者さんに介入することができるようになると期待しています。例えば、血圧が上手くコントロールできていない方に対して、その理由がコンプライアンス不良であることが事前に分かれば医師の対処法も違ってくるでしょう。クリニックモール発の取り組みとして、ぜひとも実現させたいと考えています。

取材ご協力

ファーマシィ薬局上本町駅前
http://www.pharmacy-net.co.jp/store/detail.php?store_no=1105
〒543-0031 
大阪府大阪市天王寺区石ヶ辻町18-21
上六ときビル1F
TEL:06-6772-1830

株式会社ファーマシィHP
http://www.pharmacy-net.co.jp/

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