ケア・対処・訓練法
口腔衛生と肺炎には、
関係がありますか?
摂食嚥下障害のある方は、唾液の分泌低下や唾液による自浄作用の低下、それに伴う食物の残留などで口腔内細菌が増殖し、口腔内が不衛生になると、誤嚥性肺炎につながる可能性が高まります。
摂食嚥下障害の患者さんは、咀嚼(そしゃく)や嚥下に必要な運動、あるいは感覚が低下しているので、口腔や咽頭が汚染され、汚い分泌物を誤嚥することにより細菌が肺に入り、誤嚥性肺炎につながる危険性があります。特に就寝前の口腔ケアが不十分な場合は、不顕性誤嚥による肺炎の可能性が高まります。
日頃からの口腔内ケアは嚥下の訓練にもなり、肺炎の予防につながります。
誤嚥性肺炎と口腔ケアの関係性
全国11介護施設の利用者約400人を対象にした誤嚥性肺炎の発症率調査では、食後の歯磨きとうがい、定期的な歯科医らのケアをしたグループの発症率は11%、しなかったグループは約2倍の19%でした
佐々木英忠ほか.口腔・咽頭の機能低下と誤嚥性肺炎.厚生省厚生科学研究費補助金長寿科学総合研究平成6年報告書;4:140-6.