症状・原因
どのようなスクリーニングの
方法がありますか?
嚥下機能の評価として、下記のスクリーニングを行います。
- 質問紙
- 水飲みテスト
- 反復唾液嚥下テスト(RSST)
スクリーニングテスト
摂食嚥下障害の発見(スクリーニング)はまず疑うことと摂食場面の観察が重要です。ついで摂食嚥下障害質問シートにそって症状をチェックし、スクリーニングテストを行うと良いでしょう。摂食嚥下障害の診断には、嚥下造影や嚥下内視鏡が有用ですが、スクリーニングでどこに問題がありそうかなど情報収集を行い、難渋する症例の原因や対策を検討するときに行います。
以下に在宅やベッドサイドでもできるスクリーニングテストを紹介します。動画「摂食嚥下障害を見逃さないために」で紹介した摂食嚥下障害質問シートと合わせて、日常診療の参考になれば幸いです。
質問紙
嚥下に関する以下の質問紙は広く使用されています。
水飲みテスト
水飲みテスト(30mL)はさらさらした水を飲んでもらい上手く飲めるかどうかをチェックするものです。検出力が高い検査ですが、「むせる」患者さんに必ず嚥下障害があるとはいえない症例もあり、むせない誤嚥(不顕性誤嚥)を見逃すこともあります。口腔ケア後であれば、たとえ誤嚥してもきれいな水であるため比較的安全性が高いと思われますが、誤嚥して激しくむせる※こともあります。
※誤嚥によるむせは、突発性の呼吸障害にいたることもあるので注意が必要です。
窪田俊夫,ほか.脳血管障害における麻痺性嚥下障害-スクリーニングテストとその臨床応用について.総合リハ1982;10(2):271-276.
改訂水飲みテスト
3mLの氷水を用いた検査です。上記の30mLをいきなり行うと危険と判断されるときはこちらから実施し、むせがなければ30mLの水飲みテストを行います。
反復唾液嚥下テスト(RSST)
反復唾液嚥下テスト(RSST)は、患者さんの「嚥下時に喉頭(のど仏)が上にあがることを触診で観察し、30秒間に何回嚥下が行われるか診査し、3回以上できれば正常とします。簡単で安全性の高い方法で誤嚥スクリーニング検査や経過観察には良い方法です。
RSSTが2回以下の場合には、嚥下障害の可能性があります。3回以上嚥下が可能ならばテスト食材を用いた摂食嚥下機能検査を行い、テスト食材の残留部位を中心に診査を行います。